我が家の太陽光発電システム概要
我が家の太陽光発電に関わるシステムの概要を以下の図に示す。我が家では自宅の屋根にソーラーパネルが設置してあるほか、発電した電力を蓄える蓄電池も設置している。
ソーラーパネルと蓄電池の主要な仕様は以下の通り。ソーラーパネルの発電能力は9.72kW、蓄電池の蓄電量は4kWhである。また、導入にかかった費用は(多分工事費抜きで)ソーラーパネルで280万円、蓄電池で80万円だった模様。
太陽光発電で元を取るための基本戦略
本節では、太陽光発電にかかる売買電価格から、元を取るためには発電した電力をどうするべきか(売る/使う)について簡単にまとめる。なお、売買電価格の具体的な数値等には間違いや誤認識があるかもしれないので要注意。
我が家は2022年に家を建てたため、2032年くらいまでは売電価格は19円/kWhで固定されているそうである(?)。家を購入した時点では、東京電力から電気を買うとき(買電)の価格は26.4円/kWhだが、深夜(午前1時~5時)は18.5円/kWhであった。そのため、以下のような戦略がデフォルトで設定されていた。
・買電価格の高い深夜以外の時間帯は発電した電力及び蓄電池の電力を優先的に使用
・午前1時前に蓄電池を0%にしておき、深夜帯に蓄電池をフル充電する
しかし、最近では再エネ賦課金のせいで時間帯によらず常に買電価格>売電価格となっているようである。したがって、太陽光発電で発電した電力は極力自家消費に回す方がコスパが良いようである。
(というか自家用の太陽光発電システムは基本的に自宅で発電して自宅で消費するものだから、当たり前である。)
発電/売買電/自家使用量の実績
次は、2022年から2024年10月までの発電量等の実績を示す。
年末調整/確定申告のための計算例
先にもちょっとだけ記載しているが、売電による収入は18.6万円/年であった。この金額は、ヤフオク等でちょっとものを売るだけでも20万円を超えかねない(雑所得でなくなってしまう)センシティブな金額である。また、この金額をそのまま収入としてしまうと課税額も大きくなってしまうため好ましくない。
そこで、年末調整や確定申告において、「電気代(買電額)でもなんでもいいから経費とすることはできないか?」と考え今さら色々調べた結果、ソーラーパネルや蓄電池の減価償却費(購入費用の一部)などを経費に加算することができることが分かった。
減価償却費については、「太陽光発電 減価償却 年末調整」などで調べれば出てくるが、ソーラーパネルや蓄電池の価値が、(購入費用)÷(想定される寿命[年])の分減少すると考えることができ、減少する価値の分を経費として計算できるというものである。
最初の表で示した通り、ソーラーパネルの法定耐用年数は17年、蓄電池は6年とのことなので、我が家の太陽光発電システムの減価償却費は、
280万円÷17年+80万円÷6年≒30万円/年
と計算できる。なお、実際には発電した電力の一部を自家消費しているため、売電にかかる経費は減価償却費の一部であり、売電量(0.98万kWh)÷発電量(1.3万kWh)から75%程度と見積もれる。よって、年末調整や確定申告では以下の金額を経費とすることができる。
30万円×75%≒22.5万円
すなわち、収入(18.6万円)<経費(22.5万円)であり、太陽光発電による所得は0円である(ということでいいんだと思う)。
結局、太陽光発電を自宅に導入するのは元が取れるのか?
今回、まじめに年末調整のために色々調べた結果、太陽光発電システムの導入費用を、現在の売買電価格で元を取るためには、11.5年~14.6年程度かかるのではないかと考えた(下図参照)。
実際には、売電価格が19円/kWhなのは10年限定であるし、ソーラーパネルの発電効率や蓄電池の容量などは低下するし、ソーラーパネルや蓄電池の廃棄・処分にも費用がかかることを考えると、元を取るためにはもう少し時間がかかりそうである。なお、我が家の条件では、ソーラーパネルは20年、蓄電池は15年保証がついているため、廃棄・処分費用を除けば元は取れそうである。
※:ソーラーパネルはそんなに発電効率が下がらないらしいが、蓄電池は充電容量が結構減るらしいので、蓄電池はどこかで交換・追加をする必要があると思う。
➡なので、高性能・低価格なバッテリーの開発が進むことを祈っている。自動車業界の皆さんにはぜひ頑張ってほしい。
以上のように、金銭面のみを考えるとギリギリでトントンくらいで、発電で儲かるというのはかなり難しいことが分かる。では、太陽光発電システムを導入するのは損で、やめた方がいいのか?というとそんなことはないと思う(※)。
※:ハウスメーカーの営業に騙されているわけではないと思う・・・
自宅で太陽光発電できること、蓄電池があることは、安定的な電力供給がなされない状況(災害時など)においても通常通りの生活を営むことができるという意味で(安心を買うという意味で)、価値があるといえる。その価値まで含めて考えると、太陽光発電の売電収入でシステム導入費が賄えるなら非常にオトクな設備であるといえるのではないか。
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