Intel N100搭載ミニPC GMKtec G2をUbuntu20.04で使う(WiFiモジュールを使えるようにする)+おまけ

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Intel N100搭載ミニPCの概要

ちょっと前に話題になった、Intel N100という4コア4スレッドで”安価な割には”性能が良いと評判のCPU。これを搭載したミニPCが2万円前後で購入できるということで、2023年のブラックフライデーの頃(11月)にGMKtec G2という機種を購入した。

amzn.asia/d/hkTEwnX

この機種は9cm×9cm×4cmで218gと、他社のN100搭載ミニPCよりもさらに一回り小さく軽量ということで選んだ。特徴をまとめると以下の通り。

◎:軽量・小型(9cm×9cm×4cmで218g)
〇:有線LANポート×2、WiFi-6、Bluetooth
〇:HDMI×2、DVI×1
〇:USB3.2×3
△:USB-PD給電(TypeC・12V3Aなので対応していないPD給電機に注意)
△:付属のSSD(500GB)がM.2 2242(割高なサイズ)のSATA接続(通信速度が低い規格)
 ➡実はNVMEでも認識してくれる・・・?というレビューがあったのでいつか試す
△:メモリ12GB
〇:Windows 11 Pro付属(サポートに問い合わせたらちゃんとライセンス認証が通った)

自分の場合はこのミニPCは初めからメインPCとして使うつもりはなく(※)、RaspberryPiより高性能なポータブルなROS環境を構築するために入手した。
※:この手のミニPCを使う人は大抵PCに疎い人ではないと思うが、基本的に何らかのトラブルがあるものとして考えるべきであり、このPCを唯一のPCかつメインPCとして使うのはかなり厳しい。

GMKtec G2を使おうとして困ったこと①:WiFiが使えない

ROSを使うので、当然のようにUbuntu(20.04)を入れたが、入れてみた結果WiFiモジュールを認識せず(?)、WiFiが使えないということに気づいた。
※:実は、SSDを換装してWindowsをインストールした時も最初WiFiが使えなかった。GMKtecのHPにあるドライバを入れたりWindows Updateをしているうちにいつの間にか使えるようになっていたが。

そこで、Ubuntu 20.04でWiFiモジュールを使えるようにするため色々試行錯誤した結果、以下の手順でWiFiモジュールが使えるようになった。

①WiFiモジュールの名称を調べる

GMKtec G2を分解し、SSDの換装をしようとした際、たまたまSSDの下にWiFiモジュールがあることが分かった。で、見てみるとWiFiモジュールの機種名は「RTL8852BE」というらしいことが分かった。

GMKtecG2のフタを開けたところ
SSDを外したら見えるWiFiモジュール

RTL8852BEのドライバを入れる

WiFiモジュールの名称が分かったことで、色々調べた結果以下の記事を見つけた。

qiita.com/momiji-snow/items/c5907d224778aefc6a2a

基本的に記事に記載のコマンドの通り実行すればよいが、これらのコマンドを実行するためには、インターネット接続が必要である。WiFiモジュールが使えなくても有線LANポートは普通に使えたので有線LANポートにLANケーブルを接続してインターネット環境を用意した。

コマンドを実行する際、「sudo apt-get install linux-headers-6.0.0-1011-oem」のコマンドは何度か実行したがうまくいかなかった。結局これがうまくインストールできなくても下記のコマンドを一通り実行したらWiFiが使用できるようになったのでOK。

sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
sudo apt-get update
sudo apt-get install build-essential
sudo apt-get install git bc
sudo apt-get install linux-headers-6.0.0-1011-oem
git clone https://github.com/HRex39/rtl8852be.git -b dev
cd rtl8852be/
make -j8
sudo make install
sudo modprobe 8852be

GMKtec G2を使おうとして困ったこと②:BIOS設定が保存できない

もともとはUSB3.2接続のSSDにUbuntu環境をインストールして、ポータブルなROS環境を作ろうとしていた。(しかし、USB3.2接続のSSDのデータ書き込み速度に限界を感じたためポータブルなROS環境を諦め、当初の予定通りGMKtec G2にROS環境を構築することにした。)

USB-SSDのROS環境をGMKtecのSSDにインストールされたWindowsに優先して起動させるには、BIOSからブートする優先度を設定する必要がある。
※:BIOS設定は、GMKtecのロゴが表示されているときにF2だか何だかを押すことでBIOS設定画面に入って設定変更をすることができる。

BIOS設定で内蔵SSDよりもUSBからの起動を優先する設定を何度やっても初期設定にリセットされてしまう現象が購入当初より発生していた。GMKtec G2を分解してコイン電池を取り外して電圧を測ったところ、0.2Vしかなかったためこれが原因ではないかと思われたが、コイン電池を交換してもBIOS設定がすぐにリセットされてしまうため、結局現時点では解決していない。
(これもあって結局WindowsとUbuntuを両方便利に使うのはあきらめた・・・)

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